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魔力を宿す花

東方小説話 -魔力を宿す花-     原作:上海アリス幻樂団様  書いた人:GAZ

長かった冬が終り、幻想郷に春がやってきた。

これは、そんな季節の変わり目のとある一日の出来事。


「なぁアリス、暑いぜ。。」

いつもの元気は何処へやら自称、普通の魔法使い霧雨 魔理沙は

気怠そうにそんな事を漏らしていた。

「私だって暑いわよ。。」と、

涼しげな顔で話すのは森の人形師アリス・マーガトロイド。

「しかし、どう考えてもこの森の温度の高さは異常だろ。。」

2人は今、魔法の森の普段は足を踏み入れない奥地を歩いている。

この季節なら普通はここまで暑く無い筈だが。。

「まぁ、確かにこの温度といい湿度の高さは異常よね。でも、今回は散歩って訳じゃないんだからシャキッとしなさいよ。」

「はいはい、わかったよ。」適当にうなずいておく。

魔法の森の奥地をアリスと2人で歩いているのはちゃんとした理由があった。

「魔力が宿る花だっけか?」

「そう、一年に一度だけこの季節に咲く花らしいわ。その花は凄い量の魔力を宿しているみたいなの。今回は、それが目的。」

「まったく、うさん臭い話だぜ。話の出所はパチュリーってとこか?相変わらず仲がいいことで。」からかってみる。

「う、うるさいわね。貴女はただ私について来ればいいの。」

ノリが悪い。。

「ったく、これだから都会者の魔法使いは。。」

「何か言ったかしら?」

「いや、なんでもないぜ。」聞えない様に呟いた筈だがどうやら聞えていたらしい。

それから、暫く沈黙が続いたが気になった事があったので聞いてみることにする。

「なぁアリス、なんで私を連れて来たんだ?こんな美味しい話なら独り占めするのが普通だろ。」

「確かに、普通ならね。今回の貴女の役割は私の護衛ってところよ。報酬は平等分配なんだから文句はないでしょ?」

曰付きの花が目的で護衛が必要ということは、、。。皆まで言わない事にする。

「やっぱり、ついて来なければ良かったぜ。。」本当につくづくそう思う。

そして、また2人は口を閉ざした。


暫くして今度は視界が突然開けた。

「っ、これは。。」

「おいおい、デマじゃ無かったのかよ。」

2人の視界の先には当り一面の花畑が広がっていた。

「この森にこんな所が在ったなんて流石の私も知らなかったぜ。暇潰しの筈だったがとんだ発見だなこりゃ。」

苦笑気味の魔理沙を差し置いてアリスはとても嬉しそうに辺りを調べていた。

「魔理沙、ちょっとこっちに来て。」

どうやら目的の物が見つかったらしい。

それは、花畑の中に1ヶ所だけ淡く光っていた。

しかし、アリスはその場所よりかなり手前に立っていた。

「どうしたんだ?」そうたずねると

「あそこをよく見て。」というので目を凝らしてみた。

「妖精。。?」

よく見ないと分からなかったが、淡く光っている花の周りに手のひらほどの妖精達が沢山集まっていた。

すると、後ろから突然声がした。

「お2人さん、そこから先はいっちゃダメよ。妖精達が気付くから。」

2人が後ろを振り向くと案の定、風見幽香がいた。

「あれは、この幻想郷に花をもたらしてくれる妖精達、

あの子達は毎年ああやって花を咲かせる為の魔力をあの花から貰っているの。

それを邪魔する権利は誰にもないわ。

それでも、先に進むっていうなら私は容赦しないわよ?」

そう言って微笑んだ。

そういう事だったのか。。。

「いや、今回はあきらめるぜ。流石に幻想郷中を敵にしたくないんでね。」

「そうね、、確かに私達に摘み採る権利は無いみたい。」アリスも同意した。

「そう、分かってくれればいいの。それじゃあ、私は帰るわ。」幽香はそう言って帰っていった。

「んじゃ、私達も帰るか。」

「ちょっと待って、」

「おい。」と、口を挟もうとしたが遮られた。




「もう少し、もう少しだけ見てていいかしら?」

アリスが子供みたいにお願いしてくるのが少し面白かった。

「仕方ないな、少しだけだぜ。」


 
東方小説話   -魔力を宿す花- 
                   終。

ここまで、お付き合いしてくださった皆様ありがとうございました。
こういうSS的なものは初めて書いたのでうまく書けたか分かりませんが、
次はもっとまとまった話を書いてみたいです。

書いてる途中に聞いてた曲。

二色蓮花蝶
エニグマティクドール
恋色マジック
星の器
その他etc,
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テーマ : 東方プロジェクト - ジャンル : ゲーム

紅色の門番

東方小説話   -紅色の門番-       原作:上海アリス幻樂団様  書いた人:GAZ


「まだ、6月なのに何でこんなに冷えるのでしょうか。」

手を擦り合わせて、はぁーっと息を掛ける。

「くしゅん。」

寒い。。。

「大丈夫ですか美鈴様?」

たまたま近くを通った妖精メイドが声をかけてきた。

「大丈夫ですよ、私は妖怪。体は丈夫なのですはい。」

「本当ですかー?ここ最近昼寝をとってないようですし、この寒さで風邪をひかれたのでは。。。」

本気で心配してくれてる様子でちょっと嬉しい。

「心配してくれるのは嬉しいですが、私はいたって元気ですよ。」

嘘だ。メイドの子が言ったようになんか風邪を引いたっぽい。。。

すると、考えこむように

「それならいいのですが。。。体調崩したらなら無理しないでくださいねー。」

そう言って仕事に戻って行った。

「本当は、無理したくないんですけどね。。」

1人で苦笑する。

「よぉ、美鈴。今日も館に入らせてもらうぜ。」

後ろから打って変わって元気な声が聞えてきた。

ほら、来た。

「また来たのですか、パチュリー様は只今新しい魔法の研究中ということで面会は拒絶だそうですよ。 特に魔理沙さん貴方は絶対に入れるなだそうです。」

「おいおい、そんな釣れない事言うなって。せっかく遊びに来たんだから少しぐらいいいじゃないか。」

これだよ。。。

「強引に突破するつもりなら私は手加減できないですよ?職務なので。」

職務怠慢している者にはお仕置が待っているので此所だけは譲れない。

「んじゃ、いつも通り強引に突破させてもらうぜ。」

少し脅しを入れたのに全く効果が無かった。

「では、私も貴方を強引に引き止めましょう。」

「ルールは緋想天。時間は10分な。」

この幻想郷では決闘を行う場合ルールと制限時間を決めて闘う事になっている。

「了解です。」

「3.2.1で決闘開始だ」

「3」

「2」

「1」

-決闘開始-

「はぁぁぁぁ。」

一気に魔理沙との間合いを詰める。体調が崩れている今長期戦は不利。
早めに決着をつけたいところだ。。

だが、「おっと、一気に攻め込むつもりか。」

接近戦は不利とみたか魔理沙はバックステップで間合いをあけてくる。

「っち。」

自分からルールを進言してきたのに積極的じゃない魔理沙。

しかし、勝つための切り札は必ず用意している筈だ。。。

「何を焦ってるんだ。決闘は楽しんでするものだろ?」

確かに、勝負所の駆け引きは楽しいが、こっちは負ければ即お仕置、
お気楽に楽しめと言うのは無理がある。

しかも、今週は胡蝶夢丸ナイトメア一週間服用の刑。

あれは、断固として受けたくない刑の一つ。。。

でも、このままだと埒が明かないか。

「それなら。」こちらも追わない。

「そうくるか。だが、これだけ離れていれば私の間合いだ。接近戦のないお前なんて怖くないぜ。」

ミニ八卦炉を取りだしスペルカードを宣言する。

「いくぜ、恋符「マスタースパーク!!」

来たか。。

熱量を伴う凄まじい虹色の光が襲いかかってくる。辺りに大音量の破壊音が響いた。





「訂正を一つ。」

「っな、私のスパークを貰ってダウンしないってお前どんだけ頑丈なんだよ。」

流石の魔理沙もうろたえている様だ。

「私が、近距離だけみたいな言い方をしてましたがある程度なら遠距離戦もできますよ。

それに、攻めるより守るほうが得意なのです。」

こちらも、スペルを宣言。彩符「彩光乱舞」!!

辺り一帯に弾幕を張る。

「今度は私からいかせて貰います。」

これなら自由に身動きが取れないはず。

今度こそ間合いを詰める。

「もらいました。」

腰を落した姿勢から鋭い上段蹴りを放つ。

「…っやば。」

魔理沙は両手で頭を庇うも勢いを殺しきれずに吹っ飛んだ。

「一発受けただけでこれかよ。。。」

意識までは飛んでいなかったようだ。

「手加減はできないと言いましたよ、まだやりますか?」

「いや、まだだ。。私こそ次は手加減しないぜ。」

「この状況でよくそんなことが。。。」

と言い切ろうとした時。

手の甲にポツリと水滴が落ちてきた。

「え、雨?」

空は、晴れているというのに雨が降り出している。

「天気雨…。」

「戦いの女神様はどうやら私に味方してくれたみたいだ。」

そう言って魔理沙はこちらに向って距離を縮める。

裏拳、中段蹴り、アッパーカット錬度の高い技を次々に仕掛けてくるがその全てを受け払う。

「血迷いましたか。」

人間ごときが接近戦で私にかなう筈が無い。

「いや、私は勝ち目の無い勝負はしないぜ。」

といきなり屈み強烈な足払いを放ってきた。

「――っ。」

予想外の攻撃で反応が遅れるがなんとかガードが間に合う。

すると、バキンと何かが割れるような音がして態勢が大きく崩れる。

「―しまった。」

「最初に緋想天ルールって言ったはずだぜ。」

彗星「ブレイジングスター!!」

「――っまず。。」

凄まじい速度でこちらに突っ込んでくる。

「じゃあな、いつも通り通らせてもらうぜ。」

そのセリフと体中に走る衝撃だけを感じ意識が闇に落ちていった。





「美鈴起きなさい。」

誰かに呼び掛けられて意識が戻ってくる。

「―いっつぅ。。」
当り所が悪かったのか、まだ身体中が痛む。

「おはようございます。美鈴。」

「あ、おはようございます……。って、咲夜さん!?」

咲夜さんの顔が何故か上にあった。しかも、頭には何やら柔らかい感触が。。。。

「え、、膝枕?」

「あら、お気に召さなかったかしら?」

ニッコリと。

「い、いえ。嬉しいです。。。」

「それは、良かったですわ。」

なんか恥ずかしくなって来たので話題を変える。

「えーっと、咲夜さんは何故ここに?」

言ってしまってから気付いた。魔理沙に館内へ侵入されたのを。

そして、頭の上に握拳を今にも振り下ろそうとしているのにも。

コツン。

「…え?」

予想していた痛みとは違い優しかった。

「メイドの1人から報告を受けました。貴女が体調を崩していると。」

「…あの子が。。。」

「体調が崩れているならちゃんと私に言いなさい、
無理をして貴女に倒れられては誰がこの紅魔館の門を守るのですか?
もっと自分を大切にしなさい。」

まるで、できの悪い妹に説教をする姉のようだった。

「はい。。」

本当にこの人には、頭が上らない。。

「分かってくれればいいのです。」

そう言って微笑んでくれた。




―紅魔館の一室。―

ランプの明かりが真っ赤な部屋の中を照らしていた。

「レミィ、貴女身内の運命を操るなんて悪趣味な事をするのね。」

二つの影の内片方がそう言った。

「あら、あの2人の身体も魂も全て私の物よ。少しぐらい運命を弄ったっていいでしょ。
それに、パチェだって自分の使い魔をよく魔法の実験台にしてるじゃない。」

もう片方が反論した。

「それはそうだけど。。」

図星の様だ。

「それに、あの2人は見ていて面白いもの。」

本当に面白そうに笑う。

「所で、"鼠"の方はどうしたのかしら?」

話題が変わった。

「あぁ、"鼠"は咲夜が捕まえて妹様に引き渡していたわ。」

淡々と述べた。

「あらあら。それなら今頃はこの屋敷に無理矢理侵入した事を後悔してるでしょうね。」

そう言って苦笑した。



数刻もしない内に少女の絶叫と狂気を含む笑い声が聞えてくる。

「そういえば、今宵は満月だったわね。」



夜はまだまだ更けていく。



東方小説話 ―紅色の門番―
                     終。



ここまで、お付き合いしていただいた方々ありがとうございました。
どうも、GAZです。
なんか相変わらずって、感じの内容な気が。。。
今回は、やりたかった事ができたので書いてて個人的には楽しかったです。
自己満足で終わらなければいいのですが。。。
次回は秘封倶楽部の二人か、霊夢、魔理沙の話を書きたいなぁとか。思っています。
それにしても「緋想天ルール」ってなんか違和感が。。(笑

では、また次回お付き合いいただければ幸いです。

書いている時に聞いてた曲
恋色マスタースパーク
亡き王女の為のセプテット
メイドと血の懐中時計
赤より紅い夢
その他etc

テーマ : 東方プロジェクト - ジャンル : ゲーム

夢と現とまどろみで

東方小説話 -夢と現とまどろみで-       原作:上海アリス幻樂団様  書いた人:GAZ




たまに、自分が起きているのか眠っているのか分らなくなる時がある。

そんな時私は迷わずまどろみに身を任せ墜ちて行く、何処までも何処までも。

今この瞬間も私は墜ちて行く。。。。




誰かに身体を揺さぶられて意識が戻ってくる。

「――ん。」

「おはよう、メリー。4分32秒遅刻よ。」

聞き覚えがある声。

「あれ、、蓮子?」

周りを見渡すとそこは、大学構内にあるこじゃれた雰囲気のカフェテラスだった。

そして、向かいの席には2人しかいない不良サークルに所属している宇佐見蓮子が座っている。

因みに、もう1人は私だ。

「メリーが遅刻するなんて珍しいね。」

勝ち誇ったようにそんな事を言い出した。

壁に掛かっている時計を確認する。

「私、30分前から此所にいたわよ?」

「でも、メリーは夢の中に行ってたじゃない。
私、5分ほど待ってたんだけど貴女全然向こう側から帰ってこないから起こしたの。」

全然気付かなかった。。。

「これで、おあいこねメリー。」

「貴女は、ほとんど毎回遅刻してるじゃない。」

苦笑する。

「それは、それ。これは、これよ。」

本当、調子がいいんだから。

「それで話ってなに?」

そう、今日は蓮子が話があるということで呼び出されていた。

「いきなり本題なんて無粋じゃない?」

面倒だなぁ。。

「じゃあ、私の話でも聞いてくれるの?」

「うん、うん、話してみて。」

こちらとは相反して蓮子は興味津津な様だった。

「仕方ないなぁ。。。これは、昨日見た夢の話しなんだけどね。。」





まどろみの中に私は墜ちて行く、

どんどんと深淵へ向ってどんどんと。

何処まで続いているか分らない深淵へ私は墜ちて行く。。。。




「紫様、起きてください。」

聞き慣れた声。

「――ん。」

声を掛けられ意識が戻ってきた。

「藍?」

式の名を呼ぶ。

「はい、起こしに参りました。」

いつもと変わらない床で目を覚ます。

「うーん、、夢を見ていたわ。」

「夢ですか?」

唐突な言葉にもしっかりと返すのは流石というところか。。

「そう、懐かしい夢。私がまだ私でいた頃の。。」

「はぁ。。」

理解できないだろうが構わない。

藍も、もう慣れているだろうし。

「それで、私を起こしにきたという事は何か用事があるんでしょ?」

己の式神のことは手にとるようにわかる。

「あ、はい。幽々子様から伝言などが。」

幽々子が藍を介して私にいちいち伝言なんて珍しい。

「ん、報告しなさい。」

「はい。先日、外部から冥界への干渉があったそうです。
幽々子様が直接確認をしに行った所、外の世界とこちら側が短時間ではありますが重なったそうです。ただ、その痕跡はあったものの空間の歪みは綺麗に修復してあり害は無いだろうとの事。報告は以上です。」

「報告お疲れ様。もう戻っていいわよ。」

藍が驚く。

「え、明らかに外の人間がこちらに干渉しているのに放置するのですか?」

特に害は無いだろう。どうせあの2人がやった事だろうし。。

「大丈夫よ、放っておいても何もしてこないから。」

「分かりました。紫様がそうおっしゃるのなら。。」

納得いかないという感じだったが、これ以上の進言は無駄と思ったのかそれ以上は何も言ってこなかった。

「あぁ、そう言えば私はこれから出かけるからやっぱり貴方も付いてきなさい。」

「御意に。」






「・・・という夢を見たの。」

「へぇ、何か全く理解できない夢ね。」

蓮子は苦笑していた。

「貴女、自分で私に喋らせたのに酷い扱いじゃない?」

「だって、メリーの夢の話って飛躍しているんだもの。」

それはそうだけど。。

「で、本題は?」

やっと、本題に移れる。

「その事だけど博麗神社って知ってる?」

知ってるも何も。。。

「博麗神社ってあの山奥の寂れた神社でしょ。」






「それで、紫様いったい何処に行くんです?」

着替えが終わる。寝間着を藍に手渡しながら。

「あぁ、言い忘れてたわね。博麗神社に行くの。」

「巫女に用でしょうか?」

全く理解していない。

まぁ、理解できるわけ無いだろうが。

「違うわ、私に用があるの。」

ますます、分らん。という顔をしていたが説明する気は最初から無かった。

「まぁ、行けば分かるわ。」





違う世界の同じ2人はこうして再会する。


―夢現まどろみの中で・・・―




「こんにちわ、現の私。」

「こんにちわ、夢の私。」




どちらの同伴者も全く状況を把握できないでいる。


そんな光景を、縁側に座っている博麗の巫女がどうでもよさそうにただ眺めていた。


東方小説話    -夢と現とまどろみで-
                           終。

はい、相変わらずの内容ですね。^;
自分の中ではメリー=紫という方程式が成り立っていたりするので
こんな話になりました。

求聞史紀 蓮台野夜行 夢違科学世紀 大空魔術の話を読んでいないと
よく分からないような内容になっていたりします、読んでいない方申し訳ない。。

題名に意味を持たせてみたかったんですが、微妙かなぁ。。。orz

次回は、レミリア、咲夜か霊夢、魔理沙メインの話を
書きたいなぁ。。とか思いつつ意見文の宿題に取り掛かるGAZでした。



以下コメント返信です。

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小さな秋の見つけ方

小さい秋の見つけ方                原作:上海アリス幻樂団様

「んーー。」

彼女は背伸びをします。

彼女の影も真似をして背伸びをします。

「さてと、探し物が見つかるといいけど…。」

大好きな物を少しでも早く見たいという一心で彼女は飛び立ちました。

幻想郷の夏に終りが近付いている、秋にはまだ少し早いそんなある日の話。

ふわふわとフラフラと彼女は空を飛び続けます。そんな彼女を太陽が容赦なく照り付けていました。






「貴女が此所に来るなんて珍しいわね。」

私は博麗神社を訪れていました。

「はい、萃香さんにちょっと聞きたい事がありまして…。」

神社の境内では霊夢さんが珍しく掃除をしています。

「え、萃香?呼んでくるからちょっと待っていなさい。」

そう言って霊夢さんは社の中に入って行きました。

「あ、はい。お願いします。」

暫くすると萃香さんが中から出てきます。

「んー、私になんか用かい?」

お酒の臭いが漂ってきました、かなりの量を飲んでいたみたいです。

でも、酔っ払ってはいないようでした。

「一つ尋ねたい事が…。」

さっそくの質問

「私に分かる事なら答てあげられるけど?」

古から存在する鬼の萃香さんなら…。



「探し物をしているのですが、この辺りで"秋"を見かけませんでしたか?」



モズの鳴き声が聞えてきた気がしました。何故か私を呼んでいます。






「こんにちわ。あなたが此所に来るなんて珍しいですね。」

私は真赤なお屋敷を訪れていました。

「はい、レミリアさんとパチュリーさんに聞きたい事がありまして。」

美鈴さんは少し驚いた顔をしましたが

「お嬢様とパチュリー様に御用ですか…。じゃあ、咲夜さん案内してあげてください。」

と言いました。

すると、誰もいなかったはずの私の後ろから

「美鈴、貴女気付いていたのですか。」

声がします。

「それはもちろん、咲夜さんの事なら誰よりも詳しいに決ってるじゃないですか。」

美鈴さんは突然そんな事を言い出して咲夜さんに抱きつきます。

「そんな事は誰も聞いていませんよ。」

しかし、咲夜さんはあくまで冷静に対処します。

そんな2人を見て私は何も言う事ができませんでした。

「それでは、まずはお嬢様の所へ案内します。」

美鈴さんを引き剥がすとそう言ってお屋敷の中へ私を入れてくれました。

レミリアさんは今、一番北の部屋にいると教えてくれました。

迷路のような入り組んだ真赤な廊下を暫く歩いていると、目の前にとても大きな扉があります。

その扉の脇で咲夜さんは止まると

「では、私は此所で待っているので用が終わりましたら次へ参ります。」

そう言って扉を開いてくれました。

中は広くて部屋の中央にテーブルと椅子だけが置いてあります。

置いてある椅子にレミリアさんが座っていて私を見ていました。

「貴女がこの屋敷を尋ねて来るだなんて、明日は大雪になるかもね。」

「レミリアさんにどうしても聞きたい事がありまして…。」

レミリアさんは、ふむ。とうなずき

「まぁ、私が知ってる事なら教えてあげてもいいわよ。」

親切にもそう言ってくれました。

夜の王と呼ばれている吸血鬼のレミリアさんなら知っているかもしれない…。



「探し物をしているのですが、この辺りで"秋"を見かけませんでしたか?」



いつからでしょうか、部屋の窓ガラスがくもっていました。






「御用は済みましたか?」

私が部屋を出ると扉の脇で咲夜さんが待っていました。

「あ、はい。」

「では、パチュリー様のいる地下大図書館へ案内いたします。」

そう言いました。

そして、すたすたと歩いていきます。

「あー、ちょっと待ってくださいよー。」

私は咲夜さん追って走ります。

今度は下への階段をどんどんと降りて行きます。

余りにも長い階段で足が疲れてきました。

そんな私を察したのか

「もうすぐですから。」

とだけ言ってくれました。

「はい、つきましたよ。」

目の前には本の山がありました。

例えではなく本当に本の山です。

「うわぁー、こんなに本があるの初めて見ました。1冊ぐらいかってに借りて行っても分らなさそですね。」

と、隣りの咲夜さん言いましたが隣りには誰もいませんでした。

帰りの案内は含まれていなかったようです。

その代わり、別の声が答えてくれました。

「どっかの白黒みたいな事言わないで頂戴。」

パチュリーさんは寝起きなのか目がうつろで、手にはコーヒーカップを持っていました。

「えっと、もしかして寝てました?」

パチュリーさんはあくびを噛み殺すと

「ええ、昨日徹夜で調べ物をしていたから仮眠を取っていたの。」

そう説明してくれます。

「それで、そんな事を言いにきたんじゃないんでしょ?」

パチュリーさんの声は小さく聞き取りにくいものでした。

でも、私は昔から耳がいいのが自慢なだけあってハッキリ聞えます。

「はい、パチュリーさんにどうしても聞きたい事がありまして…。」

「珍しいお客さんだし、私の知っている事なら何でも教えてあげる。」

知識と日陰の少女と言われてるパチュリーさんなら知っているかもしれない…。



「探し物をしているのですが、この辺りで"秋"を見かけませんでしたか?」



コーヒーカップの中でミルクが溶けながらぐるぐると回っていました。






「おや、君が此所に来るとは珍しい。何か探し物かな?」

私は香霖堂を訪れていました。

店内は物が多くてごちゃごちゃとしています。

その中に何故か古ぼけた風見の鳥が置いてありました。

「えっと、ここによく来る紫さんに御用がありまして…。」

それを聞いた霖之助さんは苦笑します。

「用があるのは僕ではなくて、彼女にか…。」

なんだか申し訳ない気持ちになります。

「すみません、他に心当たりがなくて。」

「いやいや、別にいいよ。でも今日は、まだ彼女来てないんだ。」

私は困りました。

もう紫さん以外頼れる方がいません。

すると

「私を探しなの?」

隙間から突然、紫さんが出てきます。

「盗み聞きとは趣味が悪いんじゃないかい?」

霖之助さんがそう言うと

「あら、私は最初から此所にいましたわよ。」

しれっとそう返しました。

「それで、お嬢ちゃん何か御用かしら?」

私はお嬢ちゃんと呼ばれるのは少し恥ずかしいなと思いました。

「紫さんに聞きたい事があるのですが…。」

紫さんは持っていた扇子をパチンと閉じると

「可愛いお嬢ちゃんの質問なら何でも答えてあげましょう。」

そう言いました。

妖怪賢者と呼ばれている紫さんなら知っているかもしれない…。



「探し物をしているのですが、この辺りで"秋"を見かけませんでしたか?」



どこからともなく吹いてきた風で風見の鳥がカラカラと鳴いていました。






「それで、探し物は見つかったの?」

当ても無く飛んでいると突然呼び止められます。

「いえ、結局見つかりませんでした。」

「まぁ、まだ秋には早いからねぇ。」

「やっぱり、そうですよね……。」

ちょっと落ち込んでいる私を見て

「あ、でも私は見つけたわよ。」



「ほら、こんなにも綺麗な"椛"がここにあるじゃない。」



そう言った文さんはニッコリと微笑んでいました。



入日色のはぜの葉が幻想郷で舞い散る日はまだ少し先の話です。


                                     おわり。


他に書きかけの話があったのですが
急に、椛の話が書きたくなったので書きました(笑
彼女はいつでも、です。ます。口調使ってそうだなぁ。
とか思ったので終始そういう表現の仕方にしてみたり。
そろそろ、勉強よりもこっちの方がメインになりそうで怖いです^;
以上、GAZでした。

以下コメント返信。

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赤より紅い魂

赤より紅い魂                   原作:上海アリス幻楽団様

「我が娘…、レミリア・スカーレットよ…。」

近寄らなければ聞き取れないくらい声は小さかった。

「はい、お父様。」

「汝は我らスカーレット家を継ぐ為の覚悟はできているか?」

覚悟など、とっくの昔にできている。

「はい、この身が滅びるまで私は我らの誇り為に闘い抜きます。」

「そうか…。安心したよ。」

命の輝きが消えようとしていた。

「我が娘よ、今此処に契約は完了した。汝はスカーレット家の為に生き、そしてスカーレット家為に死ね。
汝、スカーレット家の従者達に絶対なる庇護を。我らスカーレット家の為に、そして我ら吸血鬼の誇りの為に…。」

その言葉を残し、先代の主は亡くなった。


*    *    *   *


館の大広間で館の主と血まみれの人間が対峙していた。



血が煮えたぎる…。

己の魔力が身体を焼く…。

己の身体が耐えられない程の力が沸いてくる。


激痛。


それが、私が生きていると実感させてくれる。

「スピア・ザ・グングニル…。」

これを使うのは何時以来だろうか…。

紅の槍。

人間程度なら触れるだけでその命を刈り取れるだろう。

「――っつ。」

それを見た人間は槍の威力を理解したのか、声にもならない音をもらしていた。

しかし、その目には未だ強い意思を宿している。

なんて、いい目をしているのだろう…。

「私を殺せ…。」

強い意思を宿した少女はいきなりそんな事を言い出した。

生きる意思ではなく、死ぬ覚悟か…。

「殺せと言ってるのが聞えないのか、吸血鬼!!」

腐敗した人間どもの中に、まだ誇りを持っている人間がいるとは…。

「人間の少女よ、貴女に誇りという物があるなら私に仕えなさい。それが、勝者である私からの命令よ。」

「………。」

私は槍を納め部屋を後にした。




あれから、一ヶ月…。

部屋の扉の向こうから

「レミリア様、よろしいでしょうか。」

声が聞えた。

「入りなさい。」

「失礼します。」

悪魔の館にたった一人の人間。

「何か私に用かしら?」

すると、彼女は私の前に跪く「私、××××は主レミリア様に絶対なる忠誠を誓います。」

そう言った。

「今日から、貴女は十六夜 咲夜と名乗りなさい。」

誇り高き人間の貴女に絶対なる庇護を与えよう…。

「ありがとうございます。私、十六夜 咲夜はこの身が滅びるまで主レミリア様に仕えます。」

彼女はもう一度そう誓った。


東方小説話
-赤より紅い魂-
            終。

はい、現実逃避の為に書いたお話ですorz
本当は、もっと長い話にするつもりだったのですが、
時間的 技量的 問題の為に1つの話にまとめるのを断念しました;
続きはいつか作ろうかと思っています。完成させられるといいなぁ。。。

只今、三月精のお話はおおまかなストーリが決まったので、
下書きに入ってます。

以下コメント返信です。

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テーマ : 東方プロジェクト - ジャンル : ゲーム

萃まる夢は儚い塵に

萃まる夢は儚い塵に                原作:上海アリス幻楽団様


「ふぅん、貴女がこの異変の主犯だったの…。
異変を起こしたからにはやられる覚悟はできているわよね?」

紅白の巫女は不機嫌そうにそう言った。


  *   *   *   *


遅い春の訪れが幻想郷にやってきた。

しかし、季節が流れるのは早く気付けばもう夏。

神社では何故か、三日おきに宴会が開かれていた。

最初の内は、皆は喜び宴を楽しんだ。

だが何度ども繰り返される内に皆は不信感を抱き始め周りの動向を伺いだす。

宴のはずだが妙な雰囲気が漂い始めていた。

それでも宴は繰り返される。

何度でも。




「萃香。」

私を呼ぶ声がする。

「ん、なんだい紫。」

砕かれた月の下に二人はいた。

「あれで良かったの?」

「あれって?」

「宴の事よ。」

「あぁ。」

その事か…。

「貴女の力ならあのまま宴を続ける事はできたのに、何故解決させたの?」

「お前がそんな事を気にするとは珍しい。」

私は紫がそんな事を言うとは思っていなかったので、つい声にだして笑ってしまう。

「誰だって気になる事はあるのよ。」

紫は少し不満そうだ。

「ごめん、ごめん。妖怪賢者様にも疑問に思う事があるなんて思わなくて。」

その言葉を聞いて紫は

「もしかして、私からかわれているのかしら?」

そう言った。

私は、冗談だ。と一言いい

「簡単な事だよ。形在るものなら何時かは無くなるだろ、
それと同じで萃まった私の夢が叶い散っただけ。 ただそれだけの話さ。」

そう返す。

「そういう物かしら?」

「そういう物なんだよ。」

紫と顔を見合わせるとおかしくて笑った。

「それじゃ、今宵は二人だけの宴を開きましょう。」

紫が隙間から一升瓶を取り出す。

「自ら、鬼と酒を飲もうとはやっぱりお前は変わった妖怪だよ。」

砕かれた月は私達を照らす。

それは、優しい光で二人の宴を祝福していた。




私の萃めた夢は、散ったけどきっとまた誰かが集めるだろう…。

その時は、馬鹿な夢を見る私と同じ馬鹿な奴と一緒に酒を飲みたいと思う…。



  *   *   *   *



季節は流れ流れ、幻想郷に今年も夏がやってきた。

これは、まだ幻想郷のあちこちで異常気象が起きる前の話。



「そろそろね…。」

天界から地上を見下ろしながらそう呟く。

異変を起こす準備は整った。

あとはスイッチを押すだけ。

「へぇ、面白そうな事をしているね。」

誰も居る筈のない背後から声が聞えた。

「だ、誰?」

流石に驚く。

「私は、伊吹 萃香。今じゃ幻想郷に只一人の鬼さ。自分から名乗らない失礼なお前こそ一体誰?」

その小さな鬼は外見と中身が全く合っていなかった。

「私は、比那名居 天子。天人よ。鬼の貴女が私に何の用かしら?」

失礼な奴呼ばわりされて少しカチンときた。

「用って程じゃない。只、お前がやろうとしている事に興味があってね。
ふむ、気質を萃めているのか…。この量だと地震でも起こす気かな?」

この鬼…。

「貴女には関係ないでしょ。」

睨みつける。

「そう睨まなくてもいいじゃないか。確かに関係無いが、その宴に参加させて貰う事にしたよ。」

「何に勝手な事を…。」

「まぁまぁ、仲間外れの似たもの同士仲良くしようじゃないか。」

鬼はそんな勝手な事を言いながら笑っている。

でも、その笑いは何処か自虐めいていて普段の私なら激怒している筈なのに怒りが湧いてくる事は無かった。

「ふん、勝手にすればいいじゃない。」

私はそれだけを言いその場を立ち去る事にする。

「ふふ、これは楽しい宴になりそうだ。」

鬼はそう呟いた。

でも、私には聞えることは無かった。






「へぇ、それで結局霊夢と紫にボロボロにされたのか。御愁傷様。」

萃香は私があの二人にボロボロにされた話を聞いて笑っていた。

「そんなに笑わなくてもいいじゃない…。」

ちょっとだけヘコむ。

「それにしても、まさか紫まで出てくるとはなぁ…。てっきり今回も見てるだけと思ったんだけど。」

「あの人凄く怒ってたわ。」

あの怒りようを思いだし思わず苦笑する。

「天子に力を貸していた事を紫にバレなくて良かったよ。
あの紫がそこまで激怒するとは全くもって予想外だった。」

萃香も苦笑していた。

私はふと疑問に思った事を聞く

「そういえば、萃香って何で私に手を貸してくれたの?」

「聞きたい?」

「聞きたい。」

即答する。

「それはね、私と天子が似たもの同士ってのもあったけど、
一番の理由は天子が散って無くなった私の夢を集めていたからさ。」

「夢?」

聞き返す。

「そ、幻想郷中で馬鹿騒ぎしたいっていう馬鹿な夢だよ。」

萃香はそう言って笑っている。

「そっか…。また、私達の夢を誰かが萃めてくれるのかな。」

「きっと、また馬鹿な奴が萃めてくれるさ。」

私達は笑った。

「よし、宴を開こう。」

萃香が突然そんな事を言った。

「二人だけで?」

「私達で萃めるのさ!!」

私達はまた笑う。




暫くすると、天界は有象無象、妖怪変化達の大宴会となっていた。



きっとまた私達の夢を誰かが萃めてくれる。

そう思うとなんだか私は嬉しくなった。




-萃まる想いは夢となり、何時かは夢も塵となる。
されど塵を萃めれば、再び想いは夢となる。-



東方小説話
-萃まる夢は儚い塵に-
               終。


萃香と天子のお話でした。
東方萃夢想を聞いている時に書きたくなったお話です。
この二人は結構仲良さそうだなぁと思ったのでこんな話に。
自分の夢も何時かは塵となって消えてしまうのか。
そう思うとなんだか毎日を一生懸命に生きないと勿体無い気がしてきます…。
なんだかんだ言って最近は東方SSを書いている時が一番楽しいと感じられる時間だったりします。

東方projectという素晴らしい作品を作ってくれたZUN氏に最大限の感謝を・・・。
そして、黄昏フロンティア様の次回作に期待しています。
(でも、その前に緋想天追加パッチに期待しています。

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器用な人形と不器用な私

前書き的な、なにか。
今回の話は、少々長くなったので格納してみました。
アリスの話です。
前々から書きたかった話。
やっと文字にすることが出来たのでよかったです。
アリスの心情がうまく表すことが出来てたらいいなぁー。

そういえば、東方星蓮船が遂にweb公開されましたね!!
これで、星蓮船ネタも解禁に^;
私はZUNさんを心から応援しています。
いつか、一緒にお酒を飲んでみたいですねー(笑


追記:リンクの整理をおこないました。
    
    リンクの追加:黒坊主様 ヒロアキ様 ハム様の同人サークル
         古本屋と相互リンクしていただきました。
         東方ssやイラストなど書(描)かれています。
         是非の覗いて行ってくださいねー^

コメント返信。

>そぺさん
携帯からブログってみれたのか・・・。
知らなかったです^;

見た目防具の良さが分かるとは流石そぺさんw
そんなそぺさんには、メイドストッキングをお勧めしますよ(笑

>黒坊主さん
読んでくれてありがとうございます^^
夢、儚くて脆いものですが強い想いを持っていいれば
いつか叶う物だと私は思います。

萃夢想から唯一いなくなってしまった美鈴さん。
今から、萃夢想で美鈴さんを使ってきますね。
緋想天追加パッチで戻って来ることを祈って・・・。

以下本文となります。

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魔女が見る夢

魔女が見る夢           原作:上海アリス幻樂団様


果てしなく広い緑の海に気付けば一人で佇んで。

何処かも分らない。

何故かも分らない。

只、気持ちのいい風が吹いていた。

風は緑の絨毯を靡かせて。

風は紫色の髪を靡かせて。

空は何処までも蒼く澄んでいて。

私の心も澄んでいた。

ザーッという草の靡く音が聞こえてくる。

その音を聞いているとなんだか心が軽くなった気がした。

夢。

そう、これは夢。

夢だと分かってしまっても、私の心は軽快なワルツを踊っている。

何処だろう?

何故だろう?

私の疑問は置き去りに、私の心を置き去りに。

世界はずっと綺麗なままで、世界をずっと眺めてた。

世界は私只一人、緑の海に只一人。

もう少しだけこの世界に浸っていよう。

醒めてしまえば二度と同じ世界には戻って来れないだろうから…。



  *  *  *  *  *  *



シトシトと雨の音が静かな室内に響いていた。


紅魔館地下大図書館。どんな場所かと一言で表すと本の山。

これは、比喩表現ではなく本当に本の山。

そんな図書館の中央にある小さなテーブルの椅子に一人の魔女が座って本を読んでいた。

テーブルの上には沢山の本が積み重なっており、グラグラと揺れている。

魔女のバランスの取り方が絶妙なのか揺れてはいるが
外部から力を加えない限り倒れる事はなさそうだった。

「パチュリー様、何してるんですか?」

地下大図書館の主、魔女のパチュリー・ノーレッジ。

そして、使い魔の小悪魔。

今このだだっ広い地下図書館には二人しかいない。

「見て分らない? 本を読んでいるのよ。」

魔女は淡々と述べる。

「いや、それは分かりますけど…。」

使い魔はそんな己が主を見ながら苦笑していた。

「分かってるならいいじゃない。」

「ぱちゅりー様のいけず…。」

使い魔がわざとらしく泣き真似を始めた。

「何処からそんな言葉を覚えてくるのよ…。」

魔女がとうとう折れる。

苦笑しつつも続きを話し始めた。

「外の本よ。西洋の童話を読んでいるのです。」

彼女は何故か言葉を丁寧語にしつつ白状した。

「へぇー、パチュリー様って魔導書ばかり読んでいるのかと思っていたんですけど
そういう本も読むのですね。」

「あら、私はどんなジャンルの本でも読むわよ。」

使い魔が割りと驚いているのを見て
パチュリーは機嫌が良くなったのか普段より口が軽くなっていた。

「本にはね、作者の魂が宿っているの。それがどんな内容だとしてもね。ねぇ、貴女は
此処にある本達が何処から来たのか知っている?」

使い魔がもちろんと前置きして

「外からですよね。」

そう言った。

流石に図書館の整理をしているだけあって即答だった。

「正解です。では、何故外の世界の本が此処に流れてくるか何故だか分かる?」

「えーっと、幻想郷の結界の事を踏まえると…外の世界で忘れられたからでしょうか?」

今度は考えながら答えた。

「正解よ。」

「やった!!」

何かが嬉しかった様で羽を揺らして喜んでいる。

「私の夢はね…」

唐突に魔女が真剣な口調で話し始めた。

「いきなりですね。」

使い魔が苦笑しつつ言葉を遮ってみると

「いいから黙って聞きなさい。」

怒られた。

「私の夢は此処に流れてくる本を記憶し、この身に刻んでおく事…。
忘れられた魂を、たった一つの想いを私は知りたいの。」

「……」

使い魔は主の言葉を黙って聞いていた。

「誰の記憶にも存在していなんて、それはもう存在してないのと同じなのよ…。」

「そんなものですかね?」

魔女は使い魔の言葉を無視して続ける。

「それに、忘れられた想い程哀しい物は無いじゃない…。」


「ねぇ、小悪魔。貴女はどんな夢を見るの?」


うーんと、唸りながら使い魔は


「そうですねぇ…。私の夢は…」


自ら描いた夢を語り出す。



  *  *  *  *  *  *



夜空。

真っ暗なスクリーンに星屑の海が広がって、キラキラと私を照らしだしていた。

星の明りで見える髪の色。

くすんだ紫いつものままで。

夜空をずっと眺めていた。

前とは違うこの世界。

やっぱり私は只一人。

小さな丘に佇んで。

涼しい風が吹いてきた。

音の無い世界の中で、風は緑を靡かせながら。

世界は私を中心に、ぐるぐるぐるぐる回ってた。

何時かは知らない、けれども理由は知っている。

だから私は世界の中で、独りぼっちで存在してた。

変化を拒んだ世界の中で。

私という変化が生まれてしまう。

いずれ無くなる夢と想い。

私はその身に刻む為。

世界は次に伝える為に。

世界が消えるその時までは、私は一人で存在しよう。



夢が夢で在るために、想いが想いで在るために…。




「パチュリー様。お休みなさい…。」

地下図書館に只一人。

夢みる魔女だけ取り残された。


東方小説話
-魔女が見る夢-
          終わり。


久し振りの小説です。
何故かちょっと緊張しますね(笑
ここまで読んでくれた方々ありがとうございます。
物語性が一切ない小説は小説と呼べるのだろうか…。
それが気になるここ最近でした。

そう言えば、三月精の三巻買いました!!
やっぱり三月精は可愛いかった…。
そして、なんといっても紫様が凄くいい味でてます。
是非ともお勧めしたいですね(笑

では、以下コメント返信となります。

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一日一秘封

文章を書く練習をしたいので、できるだけ毎日短い日記形式で書いていこうかと思います。

以下本文

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一日一秘封

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一日一秘封

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きっと、雨が好きだから

本文は少々長いので折りたたみ。
久しぶりに秘封SS書きました。
ネタ自体は5月ぐらいに考えてたんですが、
書く時間とその他もろもろでやっと完成。
最初書いたプロット見直すと大分内容変わってたので、
そのうちプロットを晒そうかと思ってたり。
(下書きもしくは落書き)
やっぱり、SS書くのは難しいですね。

因みに、今日は秘封オンリーイベントがある日。
行けなくて涙が出そうorz



コメント返信
>なかそね
それってMoEの話?
それともBB?

以下本文

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